日機装の文化

2025/03/19

【日機装ボイス】「インフラを支え、エネルギーの変革期を切り拓く」若手が語る特殊ポンプ営業とは

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【日機装ボイス】「インフラを支え、エネルギーの変革期を切り拓く」若手が語る特殊ポンプ営業とは

目次

エネルギー供給の安定化など、基幹産業を支える日機装のポンプ・システム。国内だけでなく、海外のプラントでも広く採用され、社会インフラの一端を担っています。こうした社会インフラを作り上げるプロジェクトは、様々な人が携わる複雑なものが多く、社内外の関係者をつなぐ営業の役割が不可欠です。

 今回は、新卒入社4年目にして大手プラントエンジニアリング会社向けの特殊ポンプ営業を担当する、杉浦拓実さんにインタビュー。大規模プロジェクトに携わるやりがいや、文系・理系にこだわらない広い視野を持つ大切さ、次世代エネルギーを支える意気込みを聞きました。

杉浦 拓実:2021年 新卒入社。インダストリアル事業本部 本社営業部 第一グループで、プラントエンジニアリング会社向けの営業を担当。
(※所属・肩書は取材時点のものです)

インフラを守る一員として、人々の生活を支えたい

――本日はよろしくお願いします。まずは、杉浦さんのご入社の経緯を教えてください。

 杉浦:2021年に新卒で入社し、インダストリアル事業部に配属されて4年目になります。家族がインフラ関連の仕事に携わっていた影響で、「自分も人々の生活の基盤を支える仕事がしたい」と考えるようになり、就職活動を通じて日機装に出会いました。

 日機装に惹かれた理由は、その高い技術力です。インダストリアル、航空宇宙、メディカル、精密機器といった幅広い事業を展開しながら、それぞれの分野で欠かせない役割を果たしていることに感銘を受けました。このような強みを持つ会社で働きたいと感じ、入社を決めました。 

――日機装の技術力に魅力を感じたのですね。杉浦さんは現在、どのような業務をされているのでしょうか?

 杉浦:営業として主力製品であるキャンドモータポンプや往復動ポンプなどの特殊ポンプを、プラントメーカーやプラントエンジニアリング会社向けに提案しています。

 入社前の私は、営業の仕事に対して「受注したら終わり」というイメージを持っていました。しかし、実際に働いてみるとそうではないことが分かりました。例えば、お客さまから引き合いを受けたら、条件に合うポンプを選定して見積もりを作成。工場や関係者との技術的な調整から、契約管理や納入後のアフターフォローまで、一貫して担当しています。

 お客さまや社内のメンバーの思いを汲み取りながら、プロジェクト全体をコントロールする営業の役割は、まるで指揮者のようだと感じています。

インタビューに応える日機装・杉浦氏

――幅広い領域を担当されているのですね。営業する中で、やりがいや面白さを感じる場面はありますか?

 杉浦:特殊ポンプの営業は、国内のプラントメーカーやグローバル展開を進めるプラントエンジニアリング会社がお客さまです。製品やプロジェクトの規模が大きい分、無事に完遂した時は大きなやりがいを感じます。一連の工程を終えた後は、大切に育てた我が子を送り出すような、感慨深さがありますね。

 また、さまざまな立場の方と意見を交わしながら課題を解決していく過程にも面白さを感じます。お客さまからいただいたご要望をそのまま工場や技術者に横流しする伝書鳩になるだけでは、営業としての責任を果たせません。 だからこそ、課題を整理した上で、議論の土俵に上げることが大切だと感じています。

 私が特に意識しているのは、「営業職はお客さまの窓口であると同時に、会社を代表する存在である」ということ。お客さまの意図を正しく汲み取ることはもちろん、営業の私の言葉が会社の意見として受け取られるため、言葉の選び方には注意を払っています。 

また、迅速なレスポンスを心がけており、お客さまから「助かります」との言葉をいただくこともあります。こうした小さな積み重ねが、お客さまの信頼につながると感じています。

グローバルな大規模プロジェクトの担当を経て学んだこと

――これまでに、ご自身の成長を実感されたお仕事のエピソードを教えてください。

 杉浦:営業に配属されて半年ほど経った頃、日系エンジニアリング会社が海外にプラントを建設する、大規模なプロジェクトを担当しました。やり取りは日本語で行われるものの、仕様書や技術資料はすべて英語で、要求事項も膨大かつ複雑。プロジェクトを進める中で、翻訳や技術的な調整など難しい局面に直面することもありました。

 その都度、他部署や工場の方々と調整を重ねたり、トラブルへの対処法を学んだりして、柔軟に対応する力が身についたと実感しています。今年、無事にポンプの納入を終えましたが、今振り返ると、あの経験が自分の成長を大きく後押ししてくれたと感じています。

 ――壁を乗り越え、多くの経験を積まれたのですね。海外をまたぐプロジェクトは、国内の仕事とどのように違いがあるのでしょうか?

 杉浦:違うところばかりです(笑)。言葉の違いはもちろん、輸出に関わる業務やどこの国の法律が適用されるのかなども確認しなければなりません。国内だけで完結できないことも多いため、広い視野で対応する必要があります。

 また、グローバル規模のプロジェクトでは、国の威信が懸かるほどに注目度の高いケースもあります。責任を感じる場面も多いですが、そうした先進的なプロジェクトに関わり、ポンプを無事お客さまに納めた時の達成感は格別です。

 ――責任の大きなプロジェクトだったと思いますが、どのように遂行されたのでしょうか?

 杉浦:プロジェクトを進める中で課題や想定外の状況が生じた場合は、工場の方々や、上司、他部署の方と連携しながら解決してきました。若手の社員も多く、先輩や上司にも気兼ねなく質問できる環境が、すごく心強かったですね。

さらに、自分から動く姿勢も心がけていました。海外の案件の場合、お客さまの設置環境や条件が国内と異なることが多く、それらを理解するための知識は欠かせません。「分からないからできない」と諦めるのではなく、興味を持って学び続けることで解決策が見つかると学びました。

充実した研修とOJT制度によって不安を乗り越えられた

――杉浦さんは、もともとポンプ・システムに関する知識をお持ちだったのでしょうか?

杉浦:大学では法学を専攻していたため、ポンプ・システムに必要な流体力学などの専門知識はなく、数学もあまり得意ではありませんでした。就職説明会などで漠然としたイメージは持っていたものの、入社前は正直、不安が大きかったかもしれません。 

――実際に入社されて、経験や知識に対する不安をどのように解消したのでしょうか?

 杉浦:研修が充実していたため、とても助かりました。入社後はまず日機装の製品に関する基礎知識を習得した後、数か月間いろいろな営業の先輩に同行しながら営業の基礎を学びます。

 その合間には設計部門や生産管理部門などでも短期間ずつ実地研修を行います。工場での研修もあるのですが自分が扱う製品の製造現場実際に見て、よりリアルに理解できたのが良かったです。「何が何でも覚えよう」という気持ちだったので、メモを携帯して、小さな会話も聞き逃さないように必死でした。 

その後はOJT制度があり、先輩と2人体制でプロジェクトを進めながら実践的に学びました。最初から一人で任されるのではなく、先輩や上司のアドバイスを受けながら進められたため、安心して挑戦できました。

――周囲からの心強いサポートがあるのですね。先輩や上司との関わりで、特に印象的だったアドバイスや経験はありますか?

 杉浦:営業として試行錯誤する中で、壁にぶつかったことがありました。「営業とはこうあるべき」「こうしなければならない」と、一つの正解にこだわりすぎてしまい、前に進めなくなっていました。

 でも、先輩から「営業の進め方やスタイルは人それぞれで、どれも間違いではない」とアドバイスをいただき、狭まっていた視野が一気に広がりました。同じ営業職でも、お客さまへの接し方や課題の解決方法にはそれぞれのアプローチがあり、絶対的な正解はない。営業としての姿勢を教えてもらえたことで、心が軽くなりました。

日機装・杉浦氏の業務中の様子

次世代エネルギーが当たり前になる未来で、その一翼を担いたい

――今後、日機装でチャレンジしたいことがあれば教えてください。

 杉浦:これまで石油や天然ガスが中心だったエネルギー需要は、脱炭素や低炭素へと大きく舵を切り、今、その在り方が変わり始めています。

 このエネルギーの変革期に、自分も意義ある役割を果たしたい。日機装ではすでに、水素やアンモニアといった次世代エネルギーに対応するポンプの開発が進んでいます。将来、新しいエネルギーが当たり前に使われる時代が訪れた時、「その一翼を担ったのは自分だ」と胸を張れるような仕事を成し遂げられたら、とても嬉しいです。

 ――ありがとうございます。それでは最後に、インフラ業界や技術営業に興味がある方へ、メッセージをお願いします。

 杉浦:専門性の高いメーカーで、さらに技術的な要素を含む営業というと、ハードルが高いと感じる方もいるかもしれません。私自身も、文系出身で不安を抱えていました。しかし、実際に飛び込んでみると、充実した研修制度や周囲のサポートがあり、学びながら成長できるのだと、実感しています。

 また、入社前は一見無関係に思えた法学部での学びも、技術仕様書や契約書類を読み解く場面では、「物事を正しく解釈する力」や「意図を汲み取る力」という自分だけの強みとして大いに役立っています。 

どんな経験も挑戦してみなければ、その価値や繋がりには気づけないものです。不安を理由に自分の選択肢を狭めることなく、ぜひ一歩踏み出してみてください。その先には、きっと多くの可能性が広がっていると思います。