日機装の文化
2024/05/15
【日機装ボイス】法務の仕事を通じて、日機装の大切な事業や資産を守り抜く
- インタビュー
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目次
法律は健全な会社の事業活動を守る役割がある一方で、知らずに踏み越えると思わぬ損害をもたらしたり、罰則を受ける可能性もあります。今回は、法律のプロフェッショナルとして日機装の事業を支える「法務部」で活躍する、田村 和之氏にインタビュー。日機装に入社したきっかけや、現在取り組んでいる仕事への思い、これから挑戦したいことまで、話を聞きました。(所属・肩書は取材時点のものです)
田村 和之:2017年 中途入社。業務本部 法務部 法務グループにおいて、予防法務や戦略法務、臨床法務などの業務を主に担う。 |
“知らなかった”が招く悲しい事件を、法律の知見で防ぎたい
――本日はよろしくお願いします。まずは、田村さんのご経歴から教えてください。
田村:新卒で電機メーカーに就職した後、2社目で日機装に入社しました。ファーストキャリアから現在に至るまで、ずっと法務の仕事を担当しています。
――前職でも法務の仕事に携わられていたのですね。この道を志したきっかけは何だったのでしょうか。
田村:法学部で身につけた法律の知識を生かせる仕事がしたいと漠然と考えていた中、偶然目にしたニュースがきっかけです。
それは「国際カルテルで、日本企業に勤める人がアメリカで収監される可能性がある」という内容で、報道によると当事者は「法律で禁止されていることを知らなかった」と。このニュースを見て、法律を知っていればこうした悲しい事件を防げるはずだ、コンプライアンス意識の醸成活動を自分の仕事にしたい、と感じるようになりました。
――希望を叶えて法務の仕事をされていたところから、転職を考えるようになったのはなぜですか?
田村:事業譲渡などによって前職の事業規模が縮小される中、いずれ間接部門も縮小されて法務担当を続けられなくなってしまうのではと思い至ったことが大きかったです。法務の仕事にやりがいを覚えており、この仕事を続けていきたいという思いがありましたから、もし法務部員を求めている会社があれば話を聞いてみたいなと、少しずつ外に目を向け始めました。
――日機装に興味を持ったきっかけ、そして入社の決め手は何だったのでしょうか?
田村:転職先は、法務の仕事を続けられること、そして「その企業がなくなったら日本だけでなく世界も困るような企業」を軸に探していました。
その中で日機装に興味を持ったきっかけは、透析装置のトップランナーとして世界の医療を支えていること。実は高校時代の先生が透析治療を受けていたのですが、本人から伝えられるまでそのことを知らなかったんです。外見では透析患者だと分からないくらい普通に教師の仕事を続けていた当時を思い出し、QOL(Quality of Life )を維持するのに「無くてはならない製品やサービスだな」と。
そうして日機装について調べていくと、インダストリアル、航空宇宙の分野でも他に変え難い技術を持っていることを知って、「この会社がなくなったら非常にまずい状況になってしまう」「事業を守る一翼を担いたい」と率直に感じたんです。そこで日機装が私の企業選びの軸に合致することを再確認して、入社を決断しました。
また面接で組織の様子をしっかりと共有していただけて、入社後の自分の役割や働き方がイメージできたこと、こちらの質問に対して取り繕わず率直に答えていただき、入社後に大きなギャップを感じることなく働けそうだと思えたことも、後押しになりました。
広い視野と的確な判断で、法の観点から企業を守る仕事
――田村さんが法務部 法務グループにおいて担う業務について、詳しく教えてください。
田村:主要業務は、契約書の作成・チェックやコンプライアンス意識の醸成活動など、法的紛争を未然に防ぐための「予防法務」です。また、事業提携やM&Aにおいて、ビジネス戦略を法的な観点からサポートする「戦略法務」、トラブルが生じてしまった際の紛争対応を行う「臨床法務」なども法務の役割です。
法務部はそれほど規模が大きな組織ではないため、基本的に一人ひとりがこれらの業務を一通り担当します。一人でできる仕事は在宅勤務で集中して進め、事業部門の方々から直接お話を聞きたいときは出社して対話をして、と働き方もバランスをとって進めています。
――法務の仕事に、どのような思いで携わられていますか。
田村:法務は、“事業部門の方々のパートナーとして案件単位で支援すること” と “全社利益を意識して企業を守ること” の両方が求められる仕事です。
特定の製品や仕事に強い思いや愛着を持つ事業部門の皆さんに対して、自分は一歩引いた立場から、広い視野で冷静にリスクとリターンのバランスを見極められる存在でありたいと思っています。
――この仕事の難しさややりがいを感じられる場面があれば教えてください。
田村:法的なリスクを正しく認識してもらうために、時に厳しいことを言わなければいけない場面もあり、どうしたら理解が得られるだろうかと説明の仕方に苦慮することが多くあります。
そういう時には、複雑な法律や契約書の内容を噛み砕き、その人の業務内容や経歴などに即した事例や表現を使って、リスクを実感もって考えることができるような説明を心掛けています。こうした工夫の甲斐があって、しっかりと理解したうえで納得いただけたとき、「契約条件を取引先の方に説明しやすかった」と言ってもらえたときなどは、特にやりがいを感じますね。
――企業法務という仕事や、日機装の法務部で働くことの面白み、魅力はどのようなところにあると思いますか?
田村:営業や技術開発のように目立つ仕事ではありませんが、売上や開発した製品を日機装の収益源として守っていくことで、利益に間接的に貢献できるところが企業法務の魅力の一つだと思っています。また、座学の研修や社内報の発行などを通じて、コンプライアンスの醸成という点で会社に貢献できる喜びもありますね。
日機装の法務部は先にお伝えした通り人員が多くはないため、求められる仕事をやり切るためには部が一丸となって取り組まなければいけません。お互いに情報を共有し合い、それぞれの得意分野を活かして、さまざまな場面で知識を活かせるところが日機装で働く魅力だと感じます。
一人ひとりの持つ知見を伝播させ、かけ合わせて事業部門に貢献する
――今後、日機装の法務部でチャレンジしたいことがあれば教えてください。
田村:主要法令の改正などの動向をしっかりと捉え、日々多様な案件のご依頼に応えていくのはもちろんのこと、さらに周辺知識・スキルの習得やブラッシュアップにも取り組みたいと考えています。特に、海外案件で欠かせない英語力を磨くこと、税務や諸外国の年金制度などについて概要をおさえることに取り組み、日々の仕事に活かしていきたいところです。
また、他部門の方が仕事をする上で役立つようなアドバイスを展開すること、コンプライアンス醸成に向けて情報を発信することなどにも、積極的に取り組んでいければと思います。
――ありがとうございます。それでは最後に、日機装で共に働く未来の仲間に向けて、メッセージをお願いします。
田村:さまざまなバックグラウンドを持つメンバーが所属する日機装の法務部は、一人ひとりが持つ多様な知識のかけ合わせによって事業部門に貢献していける環境です。
知識を “自分だけのもの” とするのではなく、社内の各部門とコミュニケーションをとりながら伝播させていったり、良好な関係を築いたりビジネスに即した提案をしていくことに積極的な方は、きっと活躍できるはずです。そんな方が仲間に加わってくださることを、楽しみにお待ちしています。
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