日機装の文化
2025/04/30
空飛ぶクルマから人工衛星まで。子育て社員が描く、航空宇宙分野が担う未来
- CFRP
- eVTOL
- インタビュー
- 航空宇宙事業

目次
近年急速に進化を遂げる航空宇宙分野では、空飛ぶクルマ(eVTOL:電動垂直離着陸機)や水素航空機、超小型衛星など、次世代のモビリティや技術が次々と生まれています。
航空宇宙技術の進化は、持続可能な社会の実現と、その先にある子どもたちの未来にも大きく関わるもの。今、航空宇宙業界で活躍する社員は、どのような思いで日々の仕事に向き合っているのでしょうか。
日機装 航空宇宙事業の歩みと挑戦をご紹介するシリーズ「空の移動の未来に向けて」。第6回目となる今回は、エンジニアと営業の立場から航空宇宙事業を支える石田さんと青木さんに、仕事内容ややりがい、そして子どもたちが生きる未来の空に託す思いを伺いました。
石田 和也:航空宇宙技術センター技術第二部設計グループ所属。2019年に日機装へ新卒入社後、航空機部品の工程設計や各種認証対応に従事。現在は、宮崎工場で新規受注製品の立ち上げや工程設計を担当する。 青木 隆幸:航空宇宙事業本部営業部開発プログラムグループ所属。2019年8月に中途入社。国内外の新規受注製品の量産化支援を担当。 (※所属・肩書は取材時点のものです) |
未来を形にする技術職と、可能性を広げる営業職
――本日はよろしくお願いします。まずは、お二人の業務内容について教えてください。
石田:私は、新規で受注する製品の開発を担当しています。これまでには、航空機の翼部品の一つで「フラップ」と呼ばれる部品や航空機内で使用する部品の開発に携わってきました。昨年の秋からは、宮崎航空宇宙工場に異動し人工衛星向けのチューブやパネルなどの開発を行っています。
具体的には、人工衛星に取り付けられるチューブやパネルなどの部品を、どのような方法で製造するのかを考える「ものづくりの工程」を設計する仕事です。手がけた部品は、宇宙事業に挑む重工メーカーやスタートアップ企業へ渡り、最終的には人工衛星に搭載されて宇宙へと飛び立ちます。
石田さん
青木:私は営業担当として、日本、アメリカ、マレーシアのお客さま向けに航空機のエンジン周りや翼に取り付く部品を販売しています。
新規受注製品のプロジェクトではリードタイムやコストなどの要素を考慮しながら、お客さまと工場の間に立って調整を行い、プロジェクト全体がうまく進行するようサポートしています。一筋縄ではいかないこともありますが、石田さんのような技術部門と協力しながら、チームで乗り越えています。
青木さん
——どのようなやりがいや面白さがありますか?
石田:キャリアや年齢、役職に関係なく、開発の最前線に立てることが一番の面白さだと感じています。日機装では、若手であっても、1人のエンジニアとして自らの考えを論理的に説明する力があれば、直接お客さまに提案するチャンスもあるんです。
青木:石田さんは、航空機部品の新規開発プロジェクトでリーダーを務めていましたよね。
石田:はい。入社4年目の時、日機装が初めて手がける分野のプロジェクトが立ち上がり、そのリーダーに抜擢されました。正直驚きましたが、大きなやりがいがあり、自分の成長を実感した経験になりました。
青木:私が営業担当としてやりがいを感じるのは、当社の製品がお客さまのもとに届き、高い評価をいただいた時です。「日機装は品質の水準も高く、約束の納期に対応してくれる」とお褒めの言葉をいただく瞬間が嬉しいですね。
また、航空機は約300万もの部品で構成され、そのうち一つでも欠ければ完成しません。特に、日機装のカスケードは世界シェア90%以上。もし供給ができなくなれば、航空機の生産に支障をきたし、多くの人の移動に影響を与えてしまいます。そんな社会のインフラを支える仕事だというところにもやりがいを感じます。
子どもが生まれて変わった、仕事への向き合い方
——お二人とも昨年お子さんが生まれたと伺いました。心境の変化はありましたか?
石田:業務を進めるうえで、以前にも増して計画性を意識するようになりました。パートナーの負担を軽くするためにも早く帰宅したいですし、何より子どもの寝顔しか見られないのは寂しいです。少しでも一緒に過ごす時間を確保したいので、優先順位を見極めながらタスクをこなして、子どもとの時間を作るようにしています。
青木:私も同様に、家族との時間を確保するために「何を、いつまでに、どの優先順位で進めるか」をより細かく整理するようになりました。また、極端に帰りが遅くなる日を作らないように、業務量の平準化も心がけています。
また、家族が増えてからは仕事に対する責任感がさらに強まり、「もっと頑張ろう」という前向きな気持ちで取り組めるようになりました。
——家庭と仕事の両立に向けて、活用している制度や職場の雰囲気について教えてください。
石田:私は育児休暇やフレックスタイム制度、リモートワークを活用した経験があります。週1回のノー残業デーも有難いですね。
航空宇宙事業部門には青木さんのような営業部門や工場を含め、若手社員が比較的多いので、子育て情報を共有したり、アドバイスをもらったりする機会がよくあります。そうした職場でのつながりには励まされますね。
青木:私もフレックスタイム制度やリモートワークを活用しています。また、1時間単位で柔軟に休暇を取得できる制度もあります。小さい子どもがいると予防接種や風邪などで病院に付き添う機会が多いので、本当に助かりますね。
また、子育てと仕事の両立には周りのサポートが欠かせませんが、この点、職場にパパママ社員が多いので、子育てに理解のある環境です。急な休みでもすぐに業務の調整などをしてくれて、安心して休むことができます。一方で、普段から業務内容やスケジュールをチームで共有するなど、いざというときに快く協力してもらえるよう、私自身、工夫するようにしています。
子どもが一番落ち着くのはこの姿勢なんですよ、と語る青木さん
日機装の技術力で、子どもたちが安心して暮らせる未来を叶えたい
——日機装の航空宇宙事業で叶えたい未来を教えてください。
青木:日機装が提供してきたCFRP(※)製部品は、航空機の軽量化に貢献しており、地球環境保護の観点から、引き続き、重要な役割を果たす技術です 。
最近ニュースでよく目にする水害や土砂災害、大規模な山火事などは温暖化の影響だと言われていますよね。こうした脱炭素の取り組みで、子どもたちが暮らす将来の環境を守っていきたいです。
※Carbon Fiber Reinforced Plastics、炭素繊維強化プラスチック。樹脂に強化材として炭素繊維を加えた、軽量で高強度な複合材。
——CFRPは「空飛ぶクルマ」にも使われていますよね。
石田:そうですね。航空機と同じように軽量化が重要なeVTOLにも、CFRP製の部品が多く使われています。日機装は、航空機部品の開発で培ったCFRP製部品の製造技術を活かし、空飛ぶクルマ(eVTOL)の部品も手掛けています。


こうした空飛ぶクルマ(eVTOL)のようなエアモビリティが普及すれば、地上の交通渋滞を緩和できますし、電気で動くので排気ガス削減、大気汚染の改善にもつながります。今よりもっと、子どもたちが安心して暮らせる未来を実現できるのではないかと思っています。
——宇宙分野ではどのような未来が描けるでしょうか?
石田:近年、宇宙産業は急速に発展しています。宇宙が今よりも身近な存在となり、月への旅行が当たり前になる日がくるかもしれません。新たな宇宙資源の発見や経済圏の創出が、物価の高騰やエネルギー不足といった社会課題の解決につながる可能性もある。人工衛星部品に関わる一員として、そんな未来を想像したくなります。
青木:人工衛星の打ち上げが最近活発になっていますし、宇宙ゴミを回収できる衛星など進化も目覚ましいですよね。石田さんも担当していますが、こうした人工衛星の部品は仕様が複雑なものや、一点ものが多いため、高い開発力や製造技術が求められます。日機装は航空機部品で蓄積したノウハウや、複数の工程を一貫して受注できる対応力が評価されていると聞いています。
こうした日機装の技術力でより良い未来を描くためにも、まずは今携わっているプロジェクトに全力で取り組み、お客さまから信頼される企業であり続けたいと思っています。
——最後に、日機装や航空宇宙事業に興味を持つ方へメッセージをお願いします。
石田:航空宇宙事業と聞くと、「その分野に特化した経験がないと難しい」と感じる方もいるかもしれませんが、必ずしもその枠にとらわれなくてよいと思っています。私も、異なるバックグラウンドからスタートしましたが、日々チャレンジしながら成長できていると感じています。
また、日機装の開発プロジェクトは、技術や営業といった部門の枠を超え、全員がワンチームとなって進めていくのが特徴です。各自が専門性を活かしつつ、支え合いながら課題を乗り越える。そのスタイルや価値観に共感していただける方がいれば、ぜひ一緒に挑戦しましょう。
青木:航空業界は今、過渡期を迎えています。今年の大阪万博ではeVTOLのデモフライトが実施されており、人を乗せて飛ぶ日ももう間近です。こうした時代に、日機装で働けることを幸せに感じますし、得た経験を後世に伝えるのが楽しみでもあります。
これから入社を考えている方の中には、家族構成が変わった時の働き方に不安を感じる方もいるかもしれません。私自身も、初めは仕事と家庭を両立できるのか不安でしたが、日機装にはフレックスタイム制度やリモートワーク、育児休暇などの制度が整っており、周囲の理解やサポートもあるため、安心して働くことができています。ライフステージが変わっても働きやすい環境があるからこそ、仕事にもしっかり向き合えると実感しています。ぜひ、一緒に働きましょう。
ピックアップ記事
関連記事
-
日機装の文化
【日機装ボイス】専門知識ゼロからセールスエンジニアへ。「寄り添う営業」で最先端技術を支える
- インタビュー
- 半導体
- 精密機器事業
- 日機装ボイス
- 就活
2025/04/02
-
日機装の文化
【日機装ボイス】「インフラを支え、エネルギーの変革期を切り拓く」若手が語る特殊ポンプ営業とは
- インダストリアル事業
- インタビュー
- ポンプ
- 日機装ボイス
2025/03/19
-
日機装の文化
誰からも頼られる“コーディネーター”として。航空宇宙事業・海外営業職の魅力とは
- インタビュー
- 航空宇宙事業
- 航空機
2025/02/05
-
日機装の文化
【日機装ボイス】社会の変化に対応する、新たなチャレンジを支え得る人・組織づくりを
- インタビュー
- 日機装ボイス
2024/09/02