日機装の文化
2023/01/30
【#医療機器開発者インタビュー】Vol.2_他分野からの転職で感じた、患者様の治療に関わる機器開発のやりがい
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目次
日機装のメディカル事業において活躍する技術者たちの思いをお届けする、【#医療機器開発者インタビュー】。
第2回となる今回は、透析装置の機械設計を手がける石田 誠氏に話を聞きました。
石田 誠:メディカル技術センター 技術部 所属。前職で産業用の精密機械開発と医療用診断装置のシステム開発に携わった後、2020年日機装に中途入社。現在は、透析装置の機械設計を担当する。(※所属・肩書は取材時点のものです) |
技術の力で、病気で苦しんでいる方の役に立ちたい
――本日はよろしくお願いします!まずは、石田さんのこれまでのキャリアから教えてください。
石田:前職で産業用の精密機械の機械設計に11年、その後医療用診断装置のシステム開発に5年携わっていました。その後、2020年に日機装に転職して今に至ります。
――前職でも医療機器の開発に携わられていたのですね。この道を志したきっかけは何だったのでしょうか。
石田:身のまわりの方が病気で亡くなったことが、一つのきっかけだったと思います。技術の力で、病気で苦しんでいる方の役に立ちたい、人の命を支えることに携わりたいと思ったことが出発点です。
学生時代に精密工学の研究室に所属していたこともあり、これから医療機器の領域でも精密機械設計や精密計測といった専門技術が必要になっていくのではないかと考えるようになりました。自分が身につけた専門性を活かして人の命を救うことに貢献できる仕事がしたいという思いから、医療機器開発の道を志しました。
――実際に医療用診断装置のシステム開発に携わられていた中で、転職を考えるようになったのはなぜですか?
石田:前職で手がけていたのは診断機器だったので、より患者様に近い機器の開発に携わりたいと思っていたんです。日機装の透析装置は患者様の命を支える重要な装置ですから、その開発に携われることは大きな魅力でした。
医療機器市場の中でも欧米企業が牽引する治療機器分野において、透析装置の国内シェア50%超を獲得し世界シェアもさらに伸ばしていこうと奮闘している企業だという点も、決め手になったと思います。
医師や技士・看護師の方が管理しやすく、安心・安全な透析装置を目指して
――日機装ではどのような組織で、どのような業務を担当されているのでしょうか。
石田:現在は技術部の設計・開発を担う部署の中でも、「これから市場に出す装置の開発」を主な役割とするチームに所属し、6名のメンバーと共に透析装置の機械設計を担当しています。
例えば、患者様の身体に悪影響のない安全な材料を選定したり、現場で装置を使われる看護師や臨床工学技士の方々が操作・メンテナンスをしやすいような構造を考えたりすることなどが、主な業務です。
――他分野からの転職を経て感じたギャップや、苦労されたことがあれば教えてください。
石田:同じ機械設計ではあるものの透析装置を扱うのは初めてのため、その仕組みや構造を理解すること、日機装が長い歴史の中で培ってきたノウハウをしっかりと知ることなど、技術面でのキャッチアップには少し苦労しました。
ただノウハウ集が社内のイントラネットに揃っているため、自分で勉強しながら業務を進めることができましたし、分からない点をチームの方に聞くと参考資料もつけて丁寧に教えてくださって。助けられながら知識を身につけていくことができました。
もちろん知識面だけでなく、実際に試作に携わる中でも「どのような目的でやっているのか」「こうしないとこのような問題が起きる」などと細やかに教えていただけたおかげで、自分一人でも「こうしてみたい」と工夫ができるようになっていったんです。温かい雰囲気の中、手厚いサポートをしていただいて、他分野からでも入っていきやすかったです。
“今はまだない透析装置”の開発を通して、治療を受ける患者様の負担を少しでも軽減したい
――透析装置開発に携わる中で、特に心がけられていることはありますか?
石田:自分の誤った選択によって患者様の健康を害することのないように、緊張感を持って慎重にものごとを進めること、主観的な判断に依らないよう周りの方の意見を聞いて客観性を持たせることを特に心がけています。
また医療機器の認証を取得するためには、出荷する国ごとに適合させなければならない規格をしっかりと理解して設計を行おうと意識していますね。
――現在感じられている、仕事のやりがいと課題をお聞かせください。
石田:機械以外の部分を専門家にお任せしてしまうのではなく、電気の設計者・ソフトウェアの設計者と話し合いながらシステムも含めて装置全体を作ることに関われている点が、やりがいを感じるところであり、日機装の良いところだなと思っています。
「これを作って」と言われてその通りに作るのではなく、みんなで協力して何もないところから創っていけるというイメージですね。
また入社してから、場所を限定しない “ロケーションフリー” の透析治療を実現する、今までにない装置の開発に携わってきた中で、新しいものに挑戦できることにもやりがいを感じています。
課題だと捉えているのは、現場に対する知識を深めることです。「看護師や臨床工学技士、サービスエンジニアの方々が現場でどのように装置を使われているのか」という知識が不十分なところがあり、試作機に対して「これでは現場でのメンテナンス作業が難しい」などとご指摘をいただくこともあるので。今後はもっと現場に出て、装置を使われる方々がどのようなものを求めているのかを理解していきたいなと思っています。
――今後、日機装の技術部でチャレンジしたいことがあれば教えてください。
石田:週3回ほど、4時間にわたって透析治療を受けられている患者様の苦労を少しでも軽減できるような透析装置を開発していきたいです。
その中で、例えばAIを活用した治療条件の最適化など、今はまだ実現できていないものを形にすることに携われたら良いなと思っています。
また新しくできる技術センターには今後他の事業部も集まる計画になっており、他の技術者との距離も近くなります。東京への移転ということで企業や病院、研究機関とも交流がしやすくなるはずなので、今後は共同研究などにも積極的に取り組んでいければと思います。
医療機器開発の技術者としての専門性を着実に高められる環境
――後半は、“日機装で働く” ことをテーマにお話を伺います。まず技術者の視点から、日機装ならではの強みはどのようなところにあるとお考えですか?
石田:50年にわたって透析装置開発を行ってきた歴史とノウハウのある日機装で、長い間開発を手がけてこられた技術者の方々に直接ご意見を伺える、心強い環境が大きな強みだと思っています。
――働く中で感じる、日機装の組織文化とはどのようなものでしょうか。
石田:言われたものを作るのではなく、技術者がアイディアを出しあう文化があり、年次や経験に関係なく意見を求められる・聞いてもらえる環境だと感じます。
月に一度「次の装置をどうしていきたいか」を技術者どうしで議論したり、同じような実現したいものを持っている機械・電気・ソフトウェアの設計者が集まり、ボトムアップで提案を行ったり。それが良いと判断されれば、実際に装置に搭載されることもありますね。
また実務の中では、協力してチェックを行う体制がしっかりと作られている印象です。チームやグループのリーダー、部長にもしっかりと考えを確認してもらって、承認が取れてから形にしていくため、後からダメになってしまった…ということがなくやりやすさを感じています。
――今後は、どのような方と一緒に働きたいですか?
石田:機械・電気・ソフトウェアの設計者が協力して仕様から一緒に作っていくため、自分の専門領域のみにとどまらず、装置全体の設計に積極的に関わっていただけるような方と一緒に仕事をしたいなと思っています。
――ありがとうございます。それでは最後に、日機装で共にものづくりをする未来の仲間に向けて、メッセージをお願いします。
石田:医療機器に関する豊富な専門知識を持った方々がたくさんいらっしゃる日機装は、さまざまなことを教わりながら開発を進める中でスキルを着実に身につけていける環境です。医療機器開発の技術者として専門性をつけていきたい方のご入社を、心からお待ちしております。
私自身、透析装置の設計につながるような専門知識はほとんどない状態でしたが、日機装に来てから覚えて業務ができるようになりましたから、これまでのご経験がなくても安心して挑戦していただければ嬉しいです。
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