日機装の文化
2024/02/15
【就活生にオススメ#4】低・脱炭素時代を切り開くポンプ・システムの記事6選
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目次
日機装のことを知りたい就活生向けに、日機装のオウンドメディア「Bright」の記事をまとめる【就活生にオススメ】シリーズ。第4回は精密機器事業と並んでインダストリアル事業を構成するポンプ・システム事業の記事6本を取り上げます。
LNG、水素、アンモニア――。低・脱炭素社会に向けて活用が広がるこれらのエネルギーは、液化することで体積を小さくし、輸送の効率を良くしています。このため、特殊な液体を移送する日機装のポンプは、その需要がますます高まってきています。
日機装のポンプって、どんなものなの?
日機装が取り扱っているポンプとは、どのようなものなのでしょうか。用途によってさまざまな種類がありますが、今回は極低温の液体を扱うクライオジェニックポンプと、米カリフォルニアを拠点に日機装グループが展開する水素ビジネス関連のポンプについてご紹介します。
極低温下でも安定稼働できるクライオジェニックポンプ
環境負荷が比較的低いことから、石油に替わる“クリーンエネルギー”の一つとして注目を集めるLNG(液化天然ガス)。この燃料を世界中で利⽤するために欠かせない機器の一つが、マイナス162℃という極低温の環境下でも安定稼働する特殊ポンプ「クライオジェニックポンプ」です。 日機装は1985年に国産化に成功して以来、独自の改良を続け性能と信頼性を向上させてきました。現在、世界シェアは約50%に至っています。
天然ガスは液化してLNGにすることで、体積を約600分の1にまで縮小できるので、効率良く輸送できるようになります。 液体の移送においてはポンプの出番となりますが、極低温の液体を扱うポンプには高度な技術が必要です。
各パーツがマイナス162℃の環境においてそれぞれの比率で収縮した時にしっかりと組み合わさるよう、クライオジェニックポンプは100分の1mm単位の精度でパーツ間に適切な隙間を設けて設計する必要があります。まさに“精密機械”とも言え、金属の熱収縮を熟知していなければ開発は不可能です。そのため、 設計し製造できるのは世界でも数社のみです。
クライオジェニックポンプは、 ポンプ全体をLNGタンク内に直接浸漬させるため、LNGが外部に漏れるリスクがありません。また、 ポンプ主要部品には異なる金属を用いて強度と耐久性を確保し、長時間のポンプ運転を可能としています。
本場カリフォルニアで水素ステーション用ポンプなどを展開
燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しないため、クリーンなエネルギーとして期待が寄せられる水素。世界的に活用が進んでいますが、積極的な水素供給インフラの整備促進で注目を集める地域の一つがアメリカ・カリフォルニア州です。日機装グループのCE&IGグループは、現地で水素関連ビジネスを展開しています。
提供しているのは、水素ステーションで液体水素を扱う特殊ポンプや、最終的に水素をガスの状態にして自動車に充填するための気化器といった機器が中心です。
ただ、単にこれらの機器を納品して終わりではありません。「どのくらいのドライバーに対して、どのくらいの量の水素を販売する想定か」「どのくらいのスペースがあるか」などの条件に合わせて、最適な機器の構成やシステムデザインを提案。設計から機器の調達、建設までを一気通貫で手がけることで、より効率的な水素ステーションの運営に貢献していこうと取り組んでいます。
日機装のポンプを作る人たちって、どんな人?
特殊な液体を取り扱うため、高度な技術が必要とされる日機装のポンプ。その開発に取り組む技術者たちは、どんなところに魅力ややりがいを感じているのでしょうか。
「若いうちから責任ある仕事が任される」それが決め手になった
日機装に新卒入社したインダストリアル事業本部 技術部の坂宗法さんは、クライオジェニックポンプの設計を担当しています。日機装の社員から聞いた「日機装では若いうちから責任ある仕事をどんどん任せてもらえる」「図面に向き合うだけでなく、さまざまな工程があり幅広くものづくりに携われる」という話などが入社の決め手になりました。
坂さんはまず研修で製造・設計についての知識を習得し、その後OJTで設計業務について学んでいきました。OJTでは、まず設計の検討から図面の作成、部品の手配などまで製品のデザイン・設計全般を担うデザインエンジニア(DE)を担当。続いてお客様のご要望をふまえた仕様検討や要領書の作成、社内調整といった顧客対応・プロジェクトマネジメント全般を担うプロジェクトエンジニア(PE)を担当し、実際の業務への理解を深めていきました。
自分の設計したポンプが無事出荷されると、達成感と安堵を覚えるという坂さん。「営業・製造・調達・品質管理の方々と連携して仕事を進めて、最終的にポンプが出荷された喜びを分かち合えたときには、本当に大きなやりがいを感じますね」と話していました。
「一歩難しい領域へ挑戦」だから、研究開発にやりがいがある
インダストリアル事業本部 開発部などに所属する江尻真一郎さんは、主に遠心ポンプの研究開発に従事しています。2023年9月には、ターボ機械に関する先端的な研究や技術開発に取り組む若手研究者に贈られる、ターボ機械協会のチャレンジ大賞を受賞しました。
企業と大学・研究機関の研究開発を比べると、企業は“ものづくり”の機能が格段に優秀で、大掛かりな実験や、こだわった仕様の実験装置の設計・製作などが容易だと言います。そのため、実現可能性を含めて考えれば、大学・研究機関よりも企業は“ものづくり”の自由度が高いと江尻さんは感じています。
日機装のポンプは基本的には水以外の高温・極低温・有毒など特殊な液体を最終的なターゲットとしています。今であれば脱炭素社会の実現に向けて、水素やアンモニアがニーズの高い液体です。今後はさらに別のニーズが生まれてくると見込まれます。例えば、宇宙開発がさらに活発になると予測されているため、それらに必要になる液体などが候補です。
これまで取り組んでこなかったチャレンジングな液体を扱う社風は他社にあまりなく、新しいポンプを開発するのであれば、日機装にアドバンテージがあると江尻さんは考えています。そのため、「真面目に研究開発をやるならば、一歩難しい領域まで踏み入ることができる。他でやっていないことをやりたいのなら、やりがいのある会社ですよ」と呼び掛けていました。
日機装のポンプが実現する脱炭素の未来って?
日機装は脱炭素社会の実現に向けて、ポンプの開発に積極的に取り組んでいます。日機装のポンプが切り拓く未来とは、どのような世界なのでしょうか。
発電量を維持しながらCO2排出量を減らす「アンモニア発電」
水素と同じく燃やしても二酸化炭素(CO2)が出ないアンモニアを使ったアンモニア発電は、脱炭素社会の実現に向けて実用化、普及の期待が高まる発電方法です。
「石炭火力への混焼」は、石炭火力発電の燃料にアンモニアを混ぜて燃焼させる方法です。石炭にアンモニアを混ぜることで、発電量を維持しながら全体のCO2排出量を減らすことができます。一方で「アンモニア専焼」は、他の燃料との混焼ではなく、アンモニアのみを燃料として燃やして発電する方法です。実現すれば、燃焼時にCO2を全く排出しないクリーンな発電ができるようになります。
燃料アンモニアの導入・活用拡大に向けて設立された「燃料アンモニア導入官民協議会」は、短期的(〜2030年)には石炭火力に実装・導入するとともに、燃料アンモニアを安定的に供給できる体制を構築すること、長期的(〜2050年)にはアンモニア火力(専焼)の実用化・拡大を進め、また世界全体への技術展開を行うことを計画として掲げました。
燃料アンモニアを活用するには、液化したアンモニアを生産地からタンカーへ、タンカーから受入施設や消費地へと運ぶ各工程で「ポンプ」が必要になります。このため日機装は、毒性や臭気、腐食性のあるアンモニアを安全に運ぶためのポンプの開発に取り組んでいます。
水素を動力とする水素航空機、ポンプ開発で世界初の実験に成功
航空業界でも脱炭素の動きが進んでおり、「水素航空機」の研究開発が注目を集めています。 水素航空機とは、燃焼させても二酸化炭素を排出しない「水素」を動力源とする次世代航空機です。
日機装は、川崎重工業株式会社から液化水素用ポンプ開発の再委託先として選定され、水素航空機に搭載された燃料をエンジンに供給する役割を担う、小型軽量かつ安全性・信頼性を担保したポンプの研究開発に取り組んでいます。
2023年10月には、水素航空機向け液化水素ポンプの実液試験に成功したと発表。モータ一体型ポンプが液化水素(-253℃)により満たされた極低温の状態(浸漬状態)で、小型電動モータによる高速回転を実現し、液化水素を送り出すことに成功したのは世界初の快挙です。
水素航空機向け液化水素ポンプの実液試験に成功 | 日機装株式会社のプレスリリース (prtimes.jp)
まとめ
日機装のポンプの特徴は、一般的な水ではなく、LNGや水素、アンモニアなど特殊な液体を取り扱っていることです。こうした特殊ポンプの開発にあたっては「一歩難しい領域まで挑戦」する必要がありますが、日機装の技術者はそこにやりがいを感じています。こうして開発されたポンプが、低・脱炭素社会の未来を切り開いているのです。
ここでは紹介できなかったポンプ・システム事業の製品や働く社員については、採用ホームページでご覧ください。
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